TOPに戻る

--- 渡瀬草一郎 ---



陰陽ノ京  ★★★★
 陰陽ノ京

 著者: 渡瀬 草一郎

 ISBN: 4840217408
 発売年月: 2001/02
 本体価格:¥ 641

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
平安時代、陰陽道の名門に生まれたにも関わらず、文章道を選んだ青年・ 慶滋保胤。
彼は大陰陽師・安倍清明(あべせいめい)の依頼で都に現れた外法師を調べることになるが、そこから大きな事件がはじまっていく・・・。

感想
平安時代の陰陽の話です。 御札(おふだ)や式神を使って怨霊を封じたり、術を悪用する人間と戦ったりする話です。
1巻ということもあり、いろいろな人が登場して、人間関係の話がいろいろとあります。 最終的に呪いを悪用する敵との戦いになりますが、その戦い一つがメインというわけではなく、そこにいくまでの話が長めです。  

この作品は、コメディー系ではありません。 いいかげんなドタバタではなく、陰陽の設定がちゃんとしているし、物語の書き方も「平安時代の陰陽師」という感じをうまく出すように、「まじめ」な書き方になっています。  さらにイラストも作品の雰囲気に合ったものになっています。
そんな「まじめ」な作品なのに、登場人物に人柄の良い人間が多く、セリフが多い作りになっているので読みやすいと思います。 私が好きになったのはこの「まじめなのに、やさしい」雰囲気です。 特に、女性達がとても魅力あるものになっていることです。 この女性達の恋愛話が最高です。 ドタバタコメディーなんかと違い、色っぽい雰囲気があります。
まじめな陰陽なのに読みやすく恋愛話もでてくる、という作品です。 他の多くのライトノベルとは一味違います。

読みやすいと感じました。 「呪い」が多い話なのに、全然暗くならずにハッピーエンドです。
私としては、この平安の設定を生かしている雰囲気というか書き方が好きなのですが、低年齢の方は読みにくいかもしれません
私の評価は、「高い評価」です。



陰陽ノ京〈巻の2〉  ★★★★
 陰陽ノ京〈巻の2〉

 著者: 渡瀬 草一郎

 ISBN: 4840220336
 発売年月: 2002/02
 本体価格:¥ 536

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
安倍清明の家にある民を虐げる悪名高い貴族が倒れた。 人の命は「魂魄」と言い、「魂」と「魄」から成っているが、その貴族は「魄」が失われていた。 このままではこの貴族は死んでしまう。
「これ以上の罪悪を重ねる前に、私が殺します」
「魄」が失われたのは、貴族を亡き者にしようとする、外法師・氏家千早(うじいえちはや)のしわざだとわかったのだが・・・。

感想
今回の話は、「魂魄」にかんするもので、「魄」をとる術を使う外法師がでてきます。 
貴族さえ殺させてくれれば、他の人間は助けるという要求をだしてきますが、慶滋保胤は貴族も含めて全員を助けようと、千早を説得します。

今回は「魂魄」に関する話にしぼられていて、 戦いもかぎられています。 1巻よりもシンプルな話です。  戦うというよりも「説得」するという流れで、派手な術のやりとりはありません。 農民を苦しめる悪い貴族は殺すべきかどうか? という話で保胤が殺さないように千早を説得をします。 私としては「結末はどっちでもいいや」という感じでした。この貴族なら殺されても心は痛まない…。 
後は、「保胤と時継」、「吉平と貴年」の2組のやりときが面白かった。 時継は出番が少なかったけど最高です。
というわけで、メインの「いい話」はイマイチでしたが、そのほかの部分が面白いです。

ハッピーエンドです。
私の評価は、「高めの評価」です。



陰陽ノ京〈巻の3〉  ★★★
 陰陽ノ京〈巻の3〉

 著者: 渡瀬 草一郎

 ISBN: 4840220980
 発売年月: 2002/05
 本体価格:¥ 578

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
3年前に陰陽寮が総動員で封じた「化けムカデ」の封印が、雷が落ちたことで解けてしまった。 陰陽寮や保胤は協力して再び封じ込めようと行動をはじめる。
一方、弓削鷹晃は、近くに姿を現した化けムカデから逃げ出さなければならないのだが、 山で出合った老法師を助け出そうとしていた。

感想
化けムカデと戦う話です。 陰陽寮や保胤は戦いの準備を進める一方、 弓削鷹晃と老法師の間でも大きな話があります。

残念ながら、1・2巻と比較して評価は下げています。 というのも、話が小さくまとまった感じがします。 この1冊をかけて化けムカデと戦うだけでした。 戦いをメインにしないつもりなのかな? そうだとして、いい話にもっていきたいのだとしても、弓削鷹晃が中心ではイマイチです。 そのうえ時継と貴年の出番は少なすぎで、恋愛話やドタバタも期待はずれでした。 最後のほうにちょっと笑える話がありましたが、それだけでは…。
ただ、1,2巻と比べての評価という話であって、この独特の雰囲気はいままでと同じく好きになれます。

ハッピーエンドかな? そこそこ「いい話」という感じです。 
私の評価は、「平均レベルくらい」です。



陰陽ノ京〈巻の4〉  ★★★★
 陰陽ノ京〈巻の4〉

 著者: 渡瀬 草一郎

 ISBN: 4840223777
 発売年月: 2003/05
 本体価格:¥ 578

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
住吉家の識神・浄雲が、住吉清良から死霊の臭いがすると言いだした。 保胤にも説明をして清良を調べたところ、 彼が密かに会っている女の子・蓮は、すでに命を落としていることがわかった。 未練を残さず成仏するように言われた蓮だが、清良への思いを消すことができずに、ついに強引な行動にでた。

感想
若くして亡くなった女の子・蓮の話です。 清良への思いを消せない彼女は、時継を人質に行動をおこします。
3巻の最後で保胤の家で暮らすことになった時継話が少しあり、蓮や清良の過去や現状の話があり、 蓮が起こす事件があります。
最後に短編作品で、「訃柚(ふゆ)」が保胤と仲良くなるまでの話があります。

とうとう本格的な戦いが無い話になりました。 今回は幼い女の子が中心ですが、恐ろしいほどの執念で行動しています。 良い行動ではありませんが、「感心した」という思いがあります。 色恋話なので前作よりも興味がもてました。 また、時継の出番も多く面白かったです。 「私は蓮殿と同じ女だから気持ちがわかる」と言っておきながら、 肝心な知識が欠けています。 感心していいのか笑っていいのか…
全体の雰囲気ですが、 一つの事件に対して、登場人物全員の気持ちを表現して、いろいろな意見を書いているという感じです。 ですから、「考えさせられる」とか「情緒ある話」になってます。 悪い言い方をすれば「進行が遅い」とも言えます。

ハッピーエンドです。
話の内容よりも、 このシリーズの「陰陽の雰囲気」が好きになれるかどうかで、評価が分かれそうだと思います。
私の評価は、「高めの評価」です。








TOPに戻る


SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送