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--- 対馬正治 ---



わたしの中の魔獣―疑似人間メルティア  ★★★
 わたしの中の魔獣―疑似人間メルティア

 著者: 対馬 正治

 ISBN: 4829127945
 発売年月: 1998/01
 本体価格:¥ 609

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
家出中の異術師の少女ユピテルと、その弟ラッセル。 立ち寄った町で軽い気持ちで引き受けた擬獣退治だったが、なんと退治した擬獣メルティアがユピテルと合体してしまった。 ユピテルとメルティアが入れ替わる状態に戸惑うラッセルだが、 さらに町で起こっている連続殺人事件に巻き込まれることに…。

感想
エーテルという魔法のような力がある世界で、それをあやつる異術師と、そこから生まれた擬獣という化け物が存在する話です。
人や動物に取り付くという特別な擬獣であるメルティア(人型で言葉が通じる)に、ユピテルが取り付かれます。
「遺産」を手に入れることができたら、本当のメルティアの体も手に入るから、ユピテルの意識を消さないでくれと交渉をします。 しかし「遺産」の手がかりも無い上に、他にも狙っている者がいる。 という気の長い話です。

特別に斬新ではないですが、ストーリーとしては良作と思えます。 ただどうしても読みにくさを感じました。 エーテルという力の説明とか、人の名前、町の名前、歴史や、組織の話など、 話が進むにつれて少しずつ出てくるのですが、集中して読んでないと、わからなくなりそうです。 けっきょく読みつかれるほどの情報量になりました。 独自の世界観ですが、かなり作りこまれています。
話の内容ですが、遺産を求めて旅をする話が半分、擬獣やそれを狙う組織との戦いが半分といったかんじです。 その中で喧嘩や笑い話がたくさんでてくきます。 セリフは多くあります。 戦いは術を使ったり、銃を使ったり、肉弾戦だったりです。
主役の姉弟が幼い雰囲気なので感情移入はできませんが、 会話なども面白さを出しています。 

ギャグ話や恋愛話に偏った作品というのではなく、かなり壮大なファンタジー作品です。 まだまだ続きそうな雰囲気です。  
私の評価は、「平均レベルくらい」です。



ラザルスの逆襲―疑似人間メルティア〈2〉  ★★
 ラザルスの逆襲―疑似人間メルティア〈2〉

 著者: 対馬 正治

 ISBN: 4829128178
 発売年月: 1998/05
 本体価格:¥ 609

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
ユピテルとラッセルの姉弟は、メルティアに新しい体を与えるため、いにしえの錬金術師の遺跡をめぐることにした。
そんな中立ち寄った町で、チンピラにからまれている女性を助けることになった。 
「お黙りなさい、この悪魔」
なぜか助けた女性に怒鳴られるユピテル。  彼女はこの小さな出来事が遺産につながる事件に発展するとは思いもよらなかった

感想
複雑な話になってきました。
立ち寄った町で、女の子を助けるのですが、その女の子は遺産にかかわる人物で、それをユピテルが事情も知らずに助けます。 しかし話は簡単ではなく、1巻で倒した擬獣が現れて、 実はこの擬獣の後ろには悪の集団がいるという話になります。

本格的なファンタジーで期待していたが、1巻よりもさらに読みにくくなってしまいました。 登場人物が多すぎです。 重要なところだけでも、メルティアのように他の生き物に取り付く擬獣が3体も増えました。 1巻で倒したやつも他の人間にとりついて再び現れたので、合計5体です。 それぞれ擬獣に名前があり、取り付かれた人間のほうにも名前があり…。
他にもたくさんの人物が登場します。 全員名前はカタカナです。 分かりにくい…。
ストーリーですが、これも方向性がわからなくなってきました。 異術師が術を使って戦うのかと思いきや、 メルティアをはじめ擬獣たちが巨大化して戦っています。 怪獣もの? 小説にしては珍ずらしい話です。

悪い作品ではないのでしょうが、集中力のない私には読みにくいです。 ちょっと登場人物が無駄に多いかも…。
私の評価は、「平均より下」です。



深淵の魔王  ★★
 深淵の魔王―疑似人間メルティア〈3〉

 著者: 対馬 正治

 ISBN: 4829128593
 発売年月: 1998/12
 本体価格:¥ 588

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
深海に沈んだ遺産を求めて海へとやってきたユピテルたち。 しかし遺産のある場所には「魔王」と呼ばれる擬獣が生息していた。 それでもユピテルの人格が消える前に遺産を手に入れなければいけない。 さらに「黒い太陽」まであらわれて戦がはじまってしまう。

感想
海底にしずんだ遺産を引き上げる話です。 その土地の貴族の娘と協力して遺産を引き上げるのですが、テロリスト集団「黒い太陽」が現れて遺産を横取りしようとします。

1,2巻では新しい集団がぞくぞくと現れて理解しにくかったですが、今回は地元の貴族を除いて、新たな集団というのはでてきませんので人間関係が頭の中で整理しやすいです。(それでも登場人物は増えます) さらに異術師の人間がでてこないのでスッキリしています。
しかし ストーリーは面白くないです。 1,2巻とやっていることが同じような気がします。 会話の内容も進展していないし、戦い方も変化がないです。
仲間内で口論をやっているのを見ても、1,2巻と同じような内容です。 その議論はもうやったろ! と突っ込みたくなります。 後は、術による戦いと巨大化しての戦いがありますが、いままでと同じような展開だと思います。
ストーリーが少し進んだのが救いです。 海に沈んでいた遺産は重要なものでした。 これさえあればメルティアに肉体を与えるのも夢ではないという話です。

世界観がきっちりしている壮大なファンタジーだと期待していたのですが、 3巻までの話を読んでいると、ワンパターンで、設定の説明が長いだけの作品になりつつあります。
私の評価は、「低い評価」です。



黒き太陽のもとに―疑似人間メルティア〈4〉  
 黒き太陽のもとに―疑似人間メルティア〈4〉

 著者: 対馬 正治

 ISBN: 4829128747
 発売年月: 1999/03
 本体価格:¥ 651

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
海底から引き上げた棺(ひつぎ)はテロ組織・「黒い太陽」に奪われてしまった。 棺をとりもどすために、忘れられた町ファティムに向かったユピテルたち、 しかしそこには、異術師協会、アビス協会の人間もあつまっていた。

感想
忘れられた町で、4つのグループが顔を会わせます。 そこで戦闘になるのですが、ユピテルたちは異術師協会、アビス協会と手を組む話になります。 この巻でユピテルが幽霊(?)のような状態になっています。

各巻で説明してくれるので、勢力関係は理解できるようになったのですが、それでも説明が長くて、読みにくい作品です。  異術で戦ったり、巨大化した戦ったりするのですが、興奮や感動するような見せ場はないです。 もくもくと戦っています。
「遺産を求める」という話にも飽きてきました。 途中に「中間的な目標」を作って、話を発展させる形をとって欲しかったです。 4巻も「遺産を手に入れる」と言い続けるのはちょっとよくないです。
この巻でも、いままでどおり説明の長い話が黙々と続きます。 いろいろ戦いがあって、最後にラッセルがさわられると言うだけです。

評価を下げますが、これはこの本一冊だけの評価ではなく、このシリーズ4巻目で飽きてきたという気持ちをこめての結果です。 実際の内容は3巻と同じようなものです。
私の評価は、「低い評価」です。



擬神降臨―疑似人間メルティア〈5〉  ★★
 擬神降臨―疑似人間メルティア〈5〉

 著者: 対馬 正治

 ISBN: 4829129107
 発売年月: 1999/08
 本体価格:¥ 651

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
ラッセルをさらわれたユピテルたちは、一度王都に戻ることにした。 しかし擬獣対策は万全のはずの王都が擬獣の進行にあってしまう。 敵は擬獣を束ねる敵「デミウルゴス」。 しかもラッセルの体を使っているのだった。 敵の進行をくいとめ、ラッセルを無事救い出すことができるのか。

感想
シリーズ5巻目で、最終巻となります。 王都での戦いで、敵の親玉が出現します。

相変わらず説明の長い話でした。 最後の戦いも一生懸命に状況を解説してくれますが、臨場感が伝わりにくいです。 そのため最後の戦いの状況ですが、私はイマイチ細かい状況は理解できていません。
途中で納得のいかない話がありました。 ユピテルが「いままで私たちは酷い事してきたから、殺されてもいいよ」みたいなことを言っていますが、 お前はそんなキャラではなかったろ? お前が死んだらラッセルや王都はどうなるんだ?
しかし話はうまく進みます。 ちょっと納得のいかない所があるのですが、最後は良い結末になりました。 最後はあいまいな話ではなく、ちゃんと終わらせてくれたので良かったと思います。

シリーズ5巻を通しての感想ですが、
まず第一に説明が多いのが問題ありです。 巨人になったり、術をつかったりしますが、それらの理論や状況を説明しすぎです。 もっと興奮を伝えるようにしてほしかったです。
次に「遺産を手に入れる」という目標が何巻も続いたため、途中で達成感や満足感が全然なく、話に飽きてしまいました。
最後に登場人物の行動が、繰り返しだったり、不自然だったりして、感情移入しなかったです。
その結果、文章を目で追っているだけのツマラナイ作品になってしまいました。 ワンパターンなのに、説明だけは多い作品…
私に集中力や根気が無いのも問題あるかもしれません。 一つ一つ状況をチェックしながら読んでいけば問題ないのかもしれませんが…。

最後はハッピーエンドで、設定としては嫌いな世界観ではありませんでしたが、 読みにくさで低評価な作品でした。
私の評価は、「低い評価」です。








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