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--- 荻野目悠樹 ---



シインの毒  ★★★★
 シインの毒

 著者: 荻野目 悠樹

 ISBN: 4086132362
 発売年月: 1996/10
 本体価格:¥ 530

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
「シイン様が戦わねば、アヴィカ様の命が危うくなりますぞ」
帝国の天才軍師シイン。 戦いを嫌う彼が戦場に向かうのは、愛する少女アヴィカの解毒剤を手に入れるため。 アヴィカは毒に侵され、常に解毒剤を飲まなければ生きていけない体であった。
「わたしくは足かせになっております」
自分のために、戦い続けるシインのため、アヴィカはある決断をする。

感想
前半は、帝国に脅され戦うシインの悲しい物語、後半は、帝国から自由になるため戦う物語です。 独自の世界観です。
周りの国に戦争をしかける「帝国」。この国には特別な「毒」が力をもっています。
帝国はシインを戦わせるために、毒を使って脅迫します。 そこで生きるシインの話です。 かなりシリアスです。

私は軍師という役職が好きなので、シインは好感が持てたのですが、歓喜と絶望を繰り返すような激しい展開になります。 面白い作品ですが、感情移入はできません。 ただ、戦場での話はシインが絶対的な策士だという展開なので好きにはなれます。
序盤で恋人が毒死して、政略結婚させられます。 話が進むと、妻の間に愛がめばえ、悲しくならないように書いてはありますが、 明るい話とは言えません。 
毒により帝国にしばられ、帝国と駆け引きをする話が続くのですが、最終的に妻と共に逃げ出すことになります。 逃げ出すときにも毒の話がでてきます。 この毒というのが面白い仕組みになっていて、話をうまく作っていると思います。
  
主人公が軍師で、毒を使ったストーリーが面白かったです。 また結末もよかったです。 シインにも帝国にも良い終わり方をしています。
複雑そうですが簡単な表現しか使ってないので読みやすいと思います。 そしてシリアスではありますが、ハッピーストーリーでした。 それでも対象年齢は高めだと思います。
私の評価は、「高めの評価」です。








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