★★★ 　碧眼の少年 前編 魅魎暗躍譚 　著者： 前田 珠子 　ISBN： 4086004828　(旧4086130025) 　発売年月： 2004/08/31 　本体価格：￥ 540 　amazon　　紀伊國屋　　JBOOK

★★★ 　碧眼の少年 後編 魅魎暗躍譚 　著者： 前田 珠子 　ISBN： 4086004836　(旧408613022X) 　発売年月： 2004/08/31 　本体価格：￥ 520 　amazon　　紀伊國屋　　JBOOK

内容説明
髪と瞳の色を奪った魔性を探して旅をしている青年・甲斐(かい)。
旅の途中に行き倒れの少女・志摩を助け、彼女の目的地である名家・夕月夜家まで送ってたのだが、そこは主と執事の2人しか居ない没落貴族だった。
「いったいどんな厄介事に首をつっこんでる」
夕月夜が没落したままでいるのは、魔性にかかわっているからだと知り…。

感想
シリーズ１，２巻目です。　いきなり前後半ものからシリーズスタート。
私は新装版の小説ではなく、古いほうを読みましたが、たぶん同じ内容だと思います。
独自の世界観で、和風で、剣や馬車、関所などが普通にでてきます。　さらに精霊使い・退魔師もいます。
この世界には、人間よりはるかに強い魔性という存在がいて、『楽しいこと』を望み行動をし、人間の命をなんとも思っていないのですが、別に世界征服をねらったりはしません。　しかし、魔性を探して旅をしている甲斐が、自分を敵である魔性の手がかりをてにいれるため、夕月夜をおとしいれた魔性と戦うことになります。

はっきり言って話の進みが遅いです。　会話や心理描写が多く書かれているのですが、同じ内容が何回も何回もでて全然進みません。
「本当は戦いたくない」、「魔性に勝てるのか？」 、「こいつと力をあわせることができるのか？」といった内容が何回も何回もでてきます。
2冊目の残り100ページくらいでやっと戦いになるのですが、戦いでも盛り上がりません。　かなり長い時間をかけて準備したにもかかわらず、結局いきあたりばったりの乱戦。　召喚術や退魔師などの個性が全然でていない力技の戦いです。
最終的に、敵が逃げて、夕月夜家に平和がもどったという終わり方です。　しかし、敵が本気を出せば簡単にやられそうな気がする…。ちょっと納得がいかないです。

登場人物の紹介ということでしょうか、 本格的な世界観ですが、前後編と長かっただけあって、よく理解できました。　しかし内容の薄い話。
私の評価は、「平均より少し上」です。

★★ 　月読見の乙女〈前編〉―魅魎暗躍譚 　著者： 前田 珠子 　ISBN： 4086005115 　(旧 前編4086130858、中編4086131137) 　発売年月： 2004/11 　本体価格：￥ 600 　amazon　　紀伊國屋　　JBOOK

★★ 　月読見の乙女〈後編〉―魅魎暗躍譚 　著者： 前田 珠子 　ISBN： 4086005123 　(旧 後編4086131382) 　発売年月： 2004/11 　本体価格：￥ 600 　amazon　　紀伊國屋　　JBOOK

内容説明
夕月夜を離れ一人旅を再開さいた甲斐。
しかし、刀を盗まれてしまい、取り戻すため情報集めをすることになる。
「空が赤い！馬鹿な！」
そんな矢先、再び魔性が現れる。　彼らの狙いは…。

感想
シリーズ３，４巻目。　新装版は前後編の2冊ですが、旧作は3冊で発売されています。　私は旧作を読みました。同じ内容だと思います。
甲斐の妹・遠江が旅の途中に狙われるのですが、　偶然であった志摩と甲斐が助けに入ります。　しかし結果、ばらばらの場所に飛ばされ、遠江が捕まってしまいます。　そこに前巻で登場した・隠岐と「しなの」も加わり、助けるために戦いを挑むことになります。

またしてのストーリーの進みが遅いです。　何度も何度も状況説明の繰り返しや、前巻の説明が書かれています。
中盤の戦いで、ばらばらの場所に飛ばされた後、それぞれの人物ごとに心理描写が長々とある上に、それぞれが怪しい人物と出会います。　気になる説明が多くあるのですが、正体を明かさないため、じれったいです。　しかも一部は最後までいっても謎のまま。
そして最後の戦いは、登場人物の個性が全然生かされていない乱戦。　しかも本気の仲間割れがあり、ライトノベルらしくない雰囲気でした。

他の小説と比べて、圧倒的に進みが遅いです。　最後はハッピーエンドになりましたが、見所の少ない作品です。　ただ、遅い分だけ登場人物の心理描写が多いので、それぞれの思いは詳しく伝わってきます。
私の評価は、「平均より少し上」です。