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★★★★★
サイケデリック・レスキュー
著者: 一条 理希
ISBN: 4086133075
発売年月: 1998/06
本体価格:¥ 580
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
普通の高校生・鷹森恭平は、学校から買える途中に、車に轢かれそうになった子供を助けた。
「あなたさまをスカウトさせていただきたいのですが」
事故現場での突然の言葉に、驚き答えられない恭平。
しかし彼が運ばれた病院がテロリスト達に占拠されたときに、私設レスキュー隊のスカウトだったことを知らされる。
決意を固めた恭平は、患者達を救うことができるのか?
感想
シリーズ1巻目です。 レスキューを行う高校生の話です。
最初に、子供を助ける話が少しありますが、後は全部病院でのテロリスト占拠話です。 内部から行動する恭平と、外から潜入していく二人のプロの話です。
かなり興奮する話でした。 敵側は爆弾を大量に使っていますし、味方側は金持ちが個人的に作った部隊のため設備も人員もレベルが高く、面白いです。
主人公だけが普通の少年ですが、冷静に行動する人間で、かっこよく感じます。
さらに、潜入や、爆弾解体、テロリストとの格闘戦など、興奮する場面もある一方、 登場人物達の過去の話など、『生きること』に対する感動的な話もあります。
ときどき、なんでもない話が長くて進行が遅いと感じるところもありましたが、全体的には内容の濃い作品でした。
高度な戦いが、感動できる作品だと思います。 まるで映画のようでした。
私の評価は、「高い評価」です。
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★★★★★
ヴァンパイア・パニック―サイケデリック・レスキュー
著者: 一条 理希
ISBN: 4086133237
発売年月: 1998/10
本体価格:¥ 580
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
私設の特殊救助隊に入った鷹森恭平。 その彼の学校に吸血コウモリの大群が出現。
「原因は生物兵器『ヴァンパイア・ウイルス』です」
コウモリに襲われた人間がウイルスにより、次々と凶暴化していく。
はたして恭平達は時間制限のうちに、罠の仕掛けられている研究施設からワクチンを手に入れることができるのか・・・。
感想
シリーズ2巻目です。 研究施設潜入+化け物との戦い、です。
最初の約100ページで、学園でのコウモリ騒ぎがあり、 残りの約200ページで、研究施設にワクチンを取りに行く話があります。
人間関係での感動話に重点が置かれました。 一応高度なレスキューもありますが、ドキドキするような面白い罠はありません。 (兵器研究所といっても街中の建物なので、罠がたくさんあっても変ですが…。)
中盤までは、
特殊装備の説明が多かっただけのような気がします。
しかし、後半は感動的な話になりました。 化け物にされた人間の話が、隊員の一人と知り合いで、「化け物になった俺を殺してくれ」みたいな話になります。 悲しいけれど良い話になっています。
中盤までは普通の作品ですが、読みやすさがありますし、 最後が感動できたので、読み終わったときはスッキリしました。
私の評価は、「高めの評価」です。
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★★★
キャプテン・ラスト―サイケデリック・レスキュー
著者: 一条 理希
ISBN: 4086133377
発売年月: 1999/02
本体価格:¥ 580
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
数秒間だけ救助信号を発信した貨物船。 それは沈没した貨物船を隠そうと、何者かが妨害電波を出しているのだと判明する。
「
じゃあ、殺人鬼が、まだいるって可能性も」
はたして殺人鬼のいる危険な海中から、行方不明者たちを救出することができるか…。
感想
シリーズ3巻目です。
沈没した貨物船の救助に向かうのですが、救助を妨害する敵がいます。 そのため海中で敵と戦いながら救助をすることになります。
話の雰囲気が変わってきました。
レスキューの話ですが、ドタバタしているだけで、カッコイイと思える救出劇が全然ないです。
変わりに、恭平の幼馴染の女の子・七瀬紗湖がレスキューを手伝う話や、特殊救助隊を作った水城財閥総帥である少年も救助に参加するなど、 未熟な人間の人数だけが増えます。 親しみのある人間関係ではありますが、救助隊のレベルが下がったような雰囲気があり、ちょっとガッカリ。
最終的に、海中でドタバタした後、敵を倒して救助成功するのですが、レスキューの話はイマイチ。 それよりも七瀬紗湖との微妙な恋愛話のほうが印象に残ったくらいです。
1巻で感じた映画のような感動はないですが、幼馴染の女の子の話などは、そこそこ面白いです。
私の評価は、「平均より少し上」です。
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★★★
ミステリー・トレイン―サイケデリック・レスキュー
著者: 一条 理希
ISBN: 4086133520
発売年月: 1999/06
本体価格:¥ 600
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
行き先不明のイベントツアー「ミステリートレイン」に参加した恭平と紗湖。
そこで殺人事件のアトラクションがあると聞かされたのだが…。
「
まさか、本当に死んでいる…」
特殊救助隊の隊員を殺すために仕組まれた暴走列車。 はたして無事に停車されることができるのか?
感想
シリーズ4巻目です。
謎の敵によって暴走列車に乗ることになるのですが、殺人鬼がいるうえに、列車は遠隔操作で操られていて、停車させることができません。
毎回舞台が変わるので、新鮮な雰囲気はあります。 しかし実際は内容の薄い作品だと思います。
今回の主人公が行ったことは、外部と連絡を取ること、あまり役に立たないブレーキを引くこと、後は少しだけ格闘戦をやったぐらいです。 正直、彼の『生還能力』というのが役に立ってないです。
とはいえ、殺人事件や爆弾騒ぎなどでも思ったのですが、ドラマチックに書くのは上手だと思います。 いろいろな人に視点を変えて、どんなに深刻な事態だということを強調して繰り返しています。 物語の進行は遅いですが、臨場感は伝わりますし、ヒロインである紗湖の面白い行動も混ぜることで、雰囲気はかなり良かったと思います。
最終的に、爆破して止めるのですが、これに関しては、もっといい方法があるのではないかと疑問が残ります。 しかも一部が脱線するなんて爆破のプロとは思えない…。
主人公の活躍がもっと欲しかった気持ちもありますが、臨場感は悪くは無いと思います。
読みやすくハッピーエンドです。
私の評価は、「平均より上」です。
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★★
ハイスクールジャッカー―サイケデリック・レスキュー
著者: 一条 理希
ISBN: 4086133695
発売年月: 1999/11
本体価格:¥ 560
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
恭平の通う高校が銀行強盗犯に占拠された。
「生徒のうち十二人が人質になっています」
銃を撃ちつくさせる作戦を考えたのだが、恭平と七瀬はどうやって銃を使わせるのか…。
感想
短編話が3話あります。
恭平の学校が占拠されて、クラスメートにばれないよう犯人を倒す話。
侵入・格闘のエキスパート・神野のプライベートな一日。
恭平の友達・哲が自分のペットを災害救助犬に育てる話。
短編話だけあって事件は短いです。 どれも事件は起こるのですが、アクションシーンはありません。
学校占拠事件の場合は、作戦失敗して、煙幕のなかでの格闘戦になるだけだし、 2、3話目は普通の日常生活を書いただけで事件はメインになってないです。
このシリーズが好きな人への番外編ということで、この作品だけを見れば、面白いわけでもなく、進展があるわけでもない一冊です。
あえて言えば、ヒロイン・七瀬紗湖の『まともな顔イラスト』が始めて出てきたのが印象に残っています。
読みやすさは十分です。
私の評価は、「平均より少し下」です。
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★★
アクア・クライシス―サイケデリック・レスキュー
著者: 一条 理希
ISBN: 4086133768
発売年月: 2000/02
本体価格:¥ 600
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
七瀬紗湖の誕生日に、デートの約束をしていた恭平。
しかし、喧嘩をして別々になったときに事件は起こる。
「はやく、みなさん地上へ退避してください!」
堤防が決壊して水没してしまう街。 恭平は地下鉄内に流されてしまった紗湖を助け出すことはできるのか。
感想
短編集もあわせれば6作品目です。
堤防が決壊したあと、水没する地下鉄に潜り、どこにいるのか分からない紗湖を助け出します。
またしても活躍やアクションシーンはありません。 「もし堤防が決壊したらどうなるのか」というドキュメント小説でした。
物語が始まってすぐに事件は起こるのですが、浸水状況を詳しく説明するだけで、事態は後半まで動きません。 話としては、状況説明の合間に、不安になる紗湖と、あせる恭平が繰り返し出てくるだけです。
仲間も現場にたどり着けないという話で、後半まで何もしていません。
最終的に、紗湖を助け出して仲直りをするのですが、事件も面白くなかったし、登場人物の個性も完全に消えていたし…。
『堤防が決壊したら』という資料をそのまま書いただけでしょう。
私の評価は、「平均より少し下」です。
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★★★
怪盗紳士は夜、微笑う―ブルー・ムーンにくちづけを
著者: 一条 理希
ISBN: 4829162090
発売年月: 2003/05
本体価格:¥ 588
amazon 紀伊國屋 JBOOK
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内容説明
貧乏な暮らしをしている女子高生・桜真子は、世間を賑わす「怪盗ノクトルム」にかけられた賞金を狙っていた。
そんな真子の家に、甥だと名乗る男・祐作とその兄・恭一郎が住むことになった。
「誰が予告なんて?」「俺達が偽ノクトルムを捕まえて…」
実は祐作と恭一郎が本物の怪盗ノクトルムだとしらない真子は、いっしょにノクトルムを捕まえる約束をして…。
感想
怪盗+能力者の話です。
前半は、真子の家に祐作&恭一郎がやってくる話と、真子の家が貧乏だという話があり、 後半は偽怪盗の犯行を阻止するという話があります。
さらに祐作&恭一郎は、特殊能力を与える人体実験をしていた研究施設の生き残りで、怪盗をしているのにも理由がある。 という話が少しだけあります。
アニメなんかでありそうな話ですね。 祐作が真子の学校の先生になったり、偽ノクトルムに捕まった真子をノクトルムに変装した祐作が助けるとか…。 特に意表をついた展開はありません。
登場人物もよくある性格です。 真子は活発なだけの普通の女子高生。 祐作は裏では怪盗をやっているが普段は頼りない男だとか…。
漫画でもアニメでもよくある無難な作品です。 ギャグ、恋愛、戦い、どれにも力が入っていません。 偽のノクトルムを見つける話がありますが、ミステリーというほどでもないです。
これから面白くなるかもしれませんが、現時点ではありきたりの話。
私の評価は、「平均レベルくらい」です。
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