★★★★ 　トリスメギトス―光の神遺物(レリクス) 　著者： 浜崎 達也 　ISBN： 4044222010 　発売年月： 1999/06 　本体価格：￥ 651 　amazon　　紀伊國屋　　JBOOK

内容説明
十年ぶりにヴェネツィアに帰ってきた青年・ミカ・ダンドロ。　彼は伝説の秘術トリスメギトスを受け継ぐ魔術師だった。
「共和国のために力を尽くします」
魔術師の一人として、国の平和を守ると誓った彼は、 『動く死体』による貴族暗殺事件に立ち向かう。　


感想
15世紀ヴェネツィアを舞台とした魔術の話です。
秘術を使う青年・ミカが、死体を操る敵と戦う話です。　前半はヴェネツィアが舞台で、最終決戦は海上（水路）です。　

ルネサンス前の地理・歴史を知らないため、理解できない単語は多くでてきます。　さらに会話のなかでも宗教的な話があり、難しめです。
しかし、やってることは単純で、優秀な魔術師である主人公の活躍や大暴れするヒロインの姿が中心で、わかりやすいです。
最終的に、休戦調停を妨害しようとする死体の群れを、主人公が秘術一発でやっつけるという終わり方です。　全体的に西洋の雰囲気がカッコイイ感じなので、それなりに主人公の活躍が盛り上がります。
単純な話を、難しい世界観でうまくごまかしているという内容ですね。

感動するほどではないですが、雰囲気のいい作品です。　ライトノベルらしくハッピーエンドです。
私の評価は、「平均より上」です。

★★★ 　Beat Gunner(ビート・ガンナー)〈1〉 　著者： 浜崎 達也 　ISBN： 4044222029 　発売年月： 1999/12 　本体価格：￥ 560 　amazon　　紀伊國屋　　JBOOK

内容説明
自由水域で空の運び屋をやっているコーディは、海賊も打ち落とす天才パイロット。　
そんなある日、突然飛行機が墜落してきてコーディ達の事務所を破壊した。　その中に乗っていたのが王子様だったことから、　事件ははじまっていく・・・。

感想
飛行機による戦闘を中心とした話です。　強い海軍力をもつクロイゼル国が、自由に空を飛べる”自由水域”を狙ってきます。　そこに平和を望むガロア国の王子様が打ち落とされてきます。　王子を無事にガロア国につれて帰れば戦いが収まる可能性はあるが…。　という話です。

国や飛行機などの設定などがちゃんと作ってあって、　国同士の立場なんかがわりやすく良かったです。　戦闘機と拳銃の説明が一部理解できなかったですが、　その量は少なかったので文句ないです。
空中戦ではお調子者のコーディが暴れまわって、　地上戦では王子の侍女が拳銃をつかって冷静に戦っています。　なかなか興奮できる作品かと思いきや、　ラストシーンが気に入らなかったです。　主人公コーディが負けることになり、敵軍の兵士の一人が目立ってます。　「伝説の英雄は存在した」といった話で、　敵軍に居ながらもその人は良い人でかっこよく、美味しいところを全部持っていっています。　負けたコーディにはほとんど触れないで、　主役の立場がいれかわったかのようです。

いい話だったのに、最後だけ気に入りませんでした。　２巻に続くようですが、ちょっとコーディの立場を落としすぎでは？
文字もそれほど詰まってないし、難しい話ではありませんが、ちょっと読みづらいかもしれません。　カタカナや漢字の固有名詞が多い感じで、　思ったよりも読むのに時間がかかりました。
私の評価は、「平均より少し上くらい」です。