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--- 綾乃なつき ---



月影のソムル  ★★★★
 月影のソムル

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086118335
 発売年月: 1994/03
 本体価格:¥ 460

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
銀髪の少年吟遊詩人シルヴィが盗賊に襲われたところを、赤髪の少女剣士ヴィラローザが助けた。
「せっかく調律したんなら、一曲くらい弾いてみろよ」
ヴィラローザに言われるままに、シルヴィが礼金の代わりに竪琴を引くと、二人は400年前の世界に導かれた…。

感想
独自の世界観をもつファンタジーです。
主人公の2人が400年前の世界に飛ばされ、王国のお家騒動に巻き込まれます。 そこでヒロイン・ヴィラローザは剣で始終活躍し、 ヒーロー・シルヴィは最初は弱いのですが「聖なる竪琴」を手に入れ、最後に活躍します。 王家の取り付く「魔」を倒したところで事件が終わり、元の時代に戻ります。 

「聖なる竪琴」や「魔」をはじめ、不思議な力が出てきます。 しかし話自体は戦闘が少なめで、人間関係やキャラクターの行動を重視した進み方です。 
かなり展開が早くスムーズです。  無駄な説明を書かずにテンポ良く進みます。
メインの話は”行方不明の王子様さがし”かな? それも含めた王家関係のトラブル話といった感じです。 推理話ではありませんが、王家の事件を解決するのが目的です。 そこにたどり着くまでの手段として、戦いもあると言った雰囲気です。興奮するような話にはなっていませんが、これも面白いです。
悪い点を言わせてもらえば、 恋愛話も無く、何か足りないような気もしました。 話はスムーズなのに、「感動」がありません。

読みやすく、ハッピーエンドです。 ただ良く考えてみると人は多く死んでます…。 悲しい雰囲気を出していないので、普通に読んでいたら気にならないしょう。
私の評価は、「高めの評価」です。



残夢  ★★★★
 残夢

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086140624
 発売年月: 1995/04
 本体価格:¥ 410

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
「シグルト捜しとやら、手伝おうか?」
もうすぐ皆既日食がおきると噂されるなか、 伝説の勇者シグルトの墓があるという町で、シルヴィとヴィラローザは転生したシグルトを捜すことになった。 そこでヴィラローザは剣術の恩師ハーディと再会する。

感想
シリーズ第2巻です。 1巻ではシルヴィが聖なる竪琴を手に入れましたが、この2巻ではヴィラローザが「聖なる剣」を手に入れます。 「実はヴィラローザは名高い巫女だった」という話をはじめ、ヴィラローザの過去がすべて語られ、 剣を手に入れた後は、再開した恩師ハーディと戦います。 
引き続き、人に取り付く「魔」が裏で暗躍している話ですが、 この巻ではとうとう敵のボスが少しだけ登場します。

2人とも「伝説の武器」みたいなのを手にすることになりますが、 やはり戦闘は少なく、人間関係などで話を進めていっています。 この巻では「剣を守っている母娘」が登場し、いろいろな話がでてきます。 さらにシルヴィとヴィラローザの関係もよくなってきています。 最後は無くてはならない友みたいになりました。 思ったほど色っぽい関係ではありませんが、これはこれで良いと思います。
雰囲気は1巻と同じく、おとなしく淡々と進む感じがあります。 ギャグや激しい戦闘で盛り上がったりはしません。 さらに 皆既日食とか転生といった、都合のいい「運命」が多いです。

またもや人が死んでいっていますが、「良い話」です。
私の評価は、「高い評価」です。



月影のソムル〈3〉浄化(カタルシス)  ★★★★
 月影のソムル〈3〉浄化(カタルシス)

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086141736
 発売年月: 1996/03
 本体価格:¥ 460

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
千年前に「魔」を封じた塔のある、マクダレナ王国。 ここに魔王の手が伸びる。 故郷に帰ってきたシルヴィだったが、本人も知らない過去が判明し、 最後の決戦の幕開けとなる。

感想
シリーズ3巻で完結編です。
シルヴィが故郷に帰ってからの話で、育ててくれた爺さんと再開をして、実はシルヴィは「魔」を解き放つことも、逆に「魔」を倒すこともできる存在、 という秘密があきらかになって、最終的に「魔」を解き放とうとしている「魔王」と戦うことになります。

シルヴィが後半から強くなりますが、 雰囲気はいままでと変わりません。 で、結末ですが、「実は魔王もかわいそうな人間だった」という話になります。 確かに話を読むと魔王もかわいそうですが、 いままで何人も殺してきただろ? と私は突っ込みたくなります。 さらに「魔」も解き放たれますが、シルヴィがあっさり解決しちゃいます……。 1000年も賢者が封印をまもってたのに、そんな簡単に解決できるのか!?
都合のいい話という感じはしますが、「いい話」になっています。 最後はシルヴィとヴィラローザもハッピーエンドです。

シリーズ3巻読みましたが、良く考えてあると思います。 話をうまく進展させていてストーリーは3巻を通して流れがいいです。 剣と聖なる力、魔王などがでてきましたが、興奮するような戦いものではなく、 各巻ごとに出会いと別れをメインとした「いい話」でした。 男性女性の両方にウケが良いと思います。
私の評価は、「高めの評価」です。



千夜の果て―月影のソムル  ★★
 千夜の果て―月影のソムル

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086142651
 発売年月: 1996/12
 本体価格:¥ 460

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
吟遊詩人シルヴィは、道に迷いオズル伯爵の城に捕らわれることになった。
「それをお前が退治できれば、今度こそこの吟遊詩人は返してやろう」
オズルは城に出没する「魔物」を退治しないと帰さないという。 しかしシルヴィの武器である竪琴は弦が一本切れていて使えない。 

感想
月影のソムルシリーズの外伝です。 魔王と戦ってから1年後の話と書いてあります。
ある城を舞台とした、「魔物」や「幽霊」、「貴族内でのトラブル」など、の話です。 いままでのシリーズとはまったく関係なく、とある城内限定のお話です。

このシリーズは好きだったのですが、この巻だけは別物です。 美男子のシルヴィが、オズル伯爵(男)に押し倒されたり、キスされたり…。 また話の中で、オズル伯爵は弟の恋人に手を出して、その女性は死んでるし………。  うーん、このオズル伯爵は最悪ですね。 いきなりドロドロした恋愛話になってます。 シルヴィとヴィラローザのキスシーンなんかもありますが、いやな雰囲気を挽回できてません。

評価をまとめると、「魔物」の話はありきたりで、 恋愛話は最悪、 大好きな2人をプラス評価しても、気分は悪い。 
私の評価は、「平均より下」です。



国守りの魔女―イシュハァル国異聞  ★★
 国守りの魔女―イシュハァル国異聞

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086140217
 発売年月: 1994/12
 本体価格:¥ 400

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
「お宝あるところに盗賊あり」
イシュハァル国の王都で自称義賊の少年ディースは、寺院から高価な首飾りを盗んだ。
ディースは盗んだ品物を街で売ったが、 実はその首飾りは魔女ドゥヌイが眠る国の守り神だったことが判明する。
司祭の娘ファリザードと、侍女のナミーアの依頼で、 ディースは自分が売った首飾りを取り戻すことになったが、 他にも首飾りを狙うものがいた…。

感想
盗賊のディースが悪党から首飾りを取り戻す話ですが、 メインはラブコメという感じです。 感動も興奮もありませんが、 安心して読めるライトノベルらしい作品です。

タイトルに魔女とあり、魔法や魔物もでてきますが、それは少しだけで、主人公は盗賊でナイフを使えるだけです。 敵は魔術を使ってきますが、ナイフで戦います。 これだと戦いは全然盛り上がらない感じです・・・。
ディースは自分が首飾りを盗み出した犯人だと名乗らずに、 女性2人に対して売り飛ばした首飾りを探す約束をします。 その秘密がばれたときにナミーアと喧嘩するのですが、 それでもお互いに心配しあって・・・。 といった低年齢向けのラブコメ作品です。 魔女をメインにするなら、それらしい設定をもっと作ってほしかったです。 結局、魔女もおまけ程度で、 恋愛話が中心で進んでいきます。

安心して読める、ハッピーエンドものです。 別に嫌いな設定ではないのですが、ラブコメ以外も何か欲しかったところです。
私の評価は、「平均より少し下」です。



追憶の迷宮―イシュハァル国異聞  ★★★
 追憶の迷宮―イシュハァル国異聞

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086141191
 発売年月: 1995/10
 本体価格:¥ 428

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
ダウドの街で、ひとり旅の娘が何人も行方不明になっているという。 ディースはこの街に調査にでかけるが、 3年前にこの街で恋人が自分をかばって死んだことを忘れられずにいた。  一方、ナミーアはディースの命が危ないという、占い師の予言をうけ、ディースを連れ戻そうと追いかけるが・・・。

感想
1巻と同じくファンタジーもののラブコメです。 ディースが死んだ昔の恋人を忘れらないという状況で、ナミーアが巻き込まれる事件が起こります。 お互いに命がけで助けあうことになり、最終的にラブラブになります。 とはいえそれまでにいろいろな展開はあります。 内容が薄いというわけでもありません。 前作とおなじ感じですね。
引き続き、安心して読める本で、 キスシーンや抱き合っているときのイラストには好感がもてました。
ディースの3年前の事件に関わる出来事が再び起こりますが、やはりラブラブ話が印象に残る作品です。 

ハッピーエンドです。
1巻を読んで好感が持てた人なら、2巻も好きになれると思います。
私の評価は、「平均より少し下」です。



標的―ターゲット  ★★★★
 標的―ターゲット

 著者: 綾乃 なつき

 ISBN: 4086142139
 発売年月: 1996/07
 本体価格:¥ 460

 amazon  紀伊國屋  JBOOK 

内容説明
高校生の樹は、両親を事故で亡くし一人で暮らしていたが、 祖父からの命令で里帰りをすることなった。
「本家は樹に継がせる」
そこで遺産について語る祖父。
それからというもの、樹のまわりで次々と不審な出来事がおこる。 鬼の話も聞かされるのだが…。

感想
ホラー?サスペンスかな? 名家で起こる、遺産あらそい+鬼にまつわる伝承 の話です。

話の大半がこの家の中での話なのですが、 ラストシーンまでは「インコの殺害」「瓦が頭の上に落ちてくる」といった事件が続き、犯人探しをする話があります。 そこに至るまで「鬼」に関わる話も語られます。
そこまでは普通のサスペンスなのですが、最後の50ページくらいで話が急激に進みます。 登場人物の半分以上が「悪者」「人間でない」という展開になります。 悪者だらけの事実に、私は笑ってしまいました。 「えーーー、お前も悪者だったの?」 と言いいたくなります。 本当に驚きです。
最後は悲惨な結果になります。 ほどんどの登場人物が生き残りません。 さらに生き残った主人公・樹も「鬼」とともに姿を消す…。 といったことになり、みんな消えてしまいます。 バットエンドではなく、ミステリーエンド(?)という感じです。 気分の悪くなるような印象は受けませんでした。

読みやすい話ですし、感情移入するような雰囲気でなかったので、 怖い話にはなっていません。 「驚く」か「笑う」話です。
私の評価は、「平均より上」です。








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